川崎昌平『ネットカフェ難民』(幻冬舎新書)

本日は川崎昌平さんの『ネットカフェ難民』(幻冬舎新書)を読書。
残念ながら今のところ川崎昌平さんの次号『週刊大衆シャイ!』への登場予定はないが、第三号以降(第三号が出るかどうかは皆さんの消費行動によるところが非常に大きいのです。第二号は9月19日(金)発売)に、ぜひ出ていただきたい人である。
実際読むまでは、なぜネットカフェ難民というものが生まれるのか、その背景を分析した本であると思っていたのであるが、全然そうではなく、実際にネットカフェ難民をしてみた著者の、その生活の中での思索の記録になっている。『ネットカフェ難民』なんて本を出している人だから、この人に主要なネットカフェチェーンをサービス・漫画・居心地、みたいに様々な視点から分析してもらえたら面白いな、などという気持ちで読み始めてみたのだが、そういうことに興味がある人ではなく、ネットカフェでの生活をしながら、現在における労働とは何か、貨幣とは何か、生活とは何か、を考えさせる私小説的なつくりになっている。結構これが読ませるのだ。新書、という枠で考えると、あれ?と思うかもしれないが、一冊の本として読めば、まったく物足りなくない、一人の若者の(僕の一つ下であるようだ)ネットカフェ漂流生活記になっている。
これを読んだ上で、でも、この川崎昌平さんに「漫画喫茶ゲラゲラ」と「メディアカフェポパイ」と「バグース」と「マンボー」と、その他様々なネットカフェチェーンを比べてもらえたら面白い、と思ったのだった。